協同組合における総会の運営

協同組合・総会の意義・種類

総会とは、組合員全員をもって構成し、組合の最高意思を決定する必要的機関です。
総会の権限等については、中小企業等協同組合法(以下「法」といいます。)で定められています。
総会には、通常総会と臨時総会があります。

通常総会は、毎事業年度ごとに年1回開催されるもので、事業年度終了後に開催され、決算書類の承認等が行われます。

臨時総会は、必要があるときに、何時でも開催されるものです。

協同組合・総会の権限

総会は、組合員全員で構成されるため、頻繁に開催することは困難です。

そこで、法は、重要事項については総会で決定するとともに、日々の業務執行については、総会で選任された理事で構成される理事会に委ねています。

以上の趣旨から、総会で決定する事項は、定款の変更、規約の設定や改廃、決算書類の承認等に限られています。

協同組合・総会の招集手続

総会の招集は、原則として理事会で決定します(法49条2項)。

この場合、理事会は、総会の10日以上前に会議の目的である事項を示し、定款で定めた方法に従って招集しなければなりません(法49条1項)。
ただし、組合員全員の同意があるときは、招集手続を経ることなく、総会を開催することができます(法49条3項)。
また、組合員が総組合員の5分の1の同意を得て、会議の目的事項及び招集の理由を記載した書面をもって総会の開催を請求したときは、理事会は、20日以内に臨時総会を開催しなければなりません(法47条2項)。

協同組合・総会の議事

総会では、原則として招集通知に記載された議案について決議することになります。
決議方法としては、通常、出席した組合員の過半数で決議し、これを普通決議といいます(法52条1項)。
他方、特に重要な一定の事項(定款の変更、組合の解散・合併、事業全部の譲渡等)については、組合員の過半数が出席し、その3分の2以上の多数で決議する必要があります。これを特別決議といいます(法53条)。
また、総会の議事については、議事録を作成する必要があります(法53条の4第1項)。議事録は、主たる事務所に10年間備え置かれなければなりません(同第2項)。

協同組合・総代会の設置

組合員が200人を超える場合、定款で総会に代わるべき総代会を設けることができます(法55条1項)。

総代会は、組合員中から選挙した総代をもって組合の意思を決定することになります。
総代会は、組合員があまりに多く、総会の招集が容易でない場合があることを考慮して、定款の定めによって設置することが許されたものです。
ただし、総代の選挙(補欠の総代の選挙を除く)、組合の解散、合併、事業の全部譲渡については、総代会において議決することができません(法55条7項)。

協同組合・総会決議の瑕疵

総会決議に瑕疵がある場合、訴訟を提起して、その効力を争うことができます。
まず、決議が存在しないことの確認及び決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を裁判所に訴えをもって請求することができます(法54条、会社法830条)。
また、手続が法律や定款に違反していたり、決議内容が定款に違反する場合等は、決議の日から3か月以内に決議取消の訴えを提起することができます(法54条、会社法831条)。

当事務所にできること

総会や総代会の運営に問題があると、後日、思わぬ紛争になることがあります。

その意味で法律の専門家である弁護士と相談のうえ、総会や総代会を適切に運営することは極めて重要です。

総会運営に疑問や懸念点がありましたら、当事務所にご相談ください。

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