労働訴訟

訴訟とは

訴訟とは、裁判所の訴訟手続によって、紛争を解決するものです。

訴訟は、当事者の一方が、裁判所に訴訟提起をすることによって、開始されます。

また、労働紛争の場合、いきなり訴訟を提起するのではなく、労働審判の申立てがおこなわれる場合もありますが、この場合も裁判所の審判に対し、当事者から異議が出された場合、訴訟に移行することになります。

訴訟の具体的手続

労働紛争に係る訴訟の場合、企業の行為に不服のある労働者が原告として訴訟提起し、企業が被告として対応する場合が通常です(ただし、企業者が原告として、労働者を訴えることも皆無ではありません。)。

通常、労働者から訴訟が提起されると、第1回口頭弁論期日が指定され、被告の企業に対し、訴状とこの期日の呼出状が送付されます。

これに対し、企業は、答弁書と呼ばれる訴状に反論する書面を提出し、これ以降、当事者双方が適宜、主張と反論及び証拠の提出をしていくことになります。その間、裁判所を交えて和解の話し合いが行われるのが通常ですが、和解が無理な場合は、双方の主張・立証が尽くされた段階で、判決が言い渡されることになります。

訴訟のメリットとデメリット

訴訟は、当事者の主張の隔たりが大きく、和解が不可能な事案でも、判決によって紛争の終局的解決を図ることができます。

わが国の裁判では三審制が取られており、第一審の判決に対しては控訴を、第2審に対しては上告をすることが可能ですが、控訴期間や上告期間内に控訴・上告の手続が取られなければ、判決は確定します。また、上告されても、上告審で判決が下されれば、その判決は確定します。

以上のとおり、訴訟では、紛争の終局的解決を図れることがメリットとなります。

他方、訴訟では当事者が主張・立証を尽くすことになりますので、解決までに時間がかかるのが難点です。通常、第1審の訴訟提起から判決までに1年程度の期間がかかることは覚悟しなければなりません。また、控訴・上告が行われる場合は、さらに解決までに時間がかかることになります。

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