協同組合における役員の任期・退任

協同組合における役員の任期・退任

役員の任期(中協法36条1項、2項)は以下になります。

理事:2年以内において定款で定める期間

監事:4年以内において定款で定める期間

 

【定款記載例】

(1)理事  ○年又は任期中の第○回目の通常総会の終結時までのいずれか短い期間。ただし、就任後第○回目の通常総会が○年を過ぎて開催される場合にはその総会の終結時まで任期を伸長する。

(2)監事  △年又は任期中の第△回目の通常総会の終結時までのいずれか短い期間。ただし、就任後第△回目の通常総会が△年を過ぎて開催される場合にはその総会の終結時まで任期を伸長する。

(出典:全国中小企業団体中央会「中小企業組合定款参考例」)

単に、理事の任期を「2年」と規定すると、役員改選年の通常総会時に、未だ任期が満了していない場合、全員が総会日に辞任するというような煩雑な手順を踏むこととなるため、上記のような記載が考えられます。

 

協同組合における役員の退任

役員の退任事由は以下になります。

・死亡

・破産

・役員の資格要件の喪失(中協法・会社法・民事再生法・破産法の罪を犯し、刑に処せられた者等、中協法35条の4参照)

・任期満了

・辞任 ※1

・組合員たる資格の喪失(員外役員を認めない組合のみ)

・改選 ※2

※1 役員は組合との委任契約によるものであるため(中協法35条の3)、辞任の一方的な申出をもって退任するものと解されており、役員からの辞任届の提出によって退任します。

 

※2 組合員は総組合員の5分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合は、その割合)以上の連署をもって、役員の改選を請求することができ、その請求につき総会において出席者の過半数の同意があつたときは、その請求に係る役員は、その職を失うとされています(中協法42条)。

 

退任した役員の残任義務

役員は、退任とともにその地位を離れますが、後任者が得られないときは組合の事業執行に支障を与えることとなるので、定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有するものとされます(中協法36条の2)。

 

当事務所でできること

このように、定款において理事の任期を単に「2年」と定めたりすると、煩雑な手順を踏む必要が生じうることもあるため、定款を定めるにあたっては様々な事情を考慮する必要があるといえます。

当事務所では、組合の定款の作成やチェック、アドバイス業務を行うことができますので、お気軽にご相談ください。

 

returnTOP写真