労務問題の知識

労働問題の重要性

企業にとって労働問題は非常に重要です。

労働法では一般的に弱者である労働者の保護が重視され、労働紛争が起きると企業側が厳しい立場に立たされることが多くあります。

労働者の要求に適切な対応をしなかったために企業イメージの低下を招き、経営に大きな影響を及ぼすこともあります。また、企業側の不適切な対応が労働者の勤労意欲を低下させてしまうこともあります。

しかし、労働問題対策が不十分な企業も少なくありません。

労働紛争を防ぐためには、労働法規を守ることは勿論、問題が起きる前に労働協約、就業規則や労働契約書を整備して労働関係の規律を明確にしておくことが重要です。

労働法規

労働法規は、労働契約という私人間の契約関係を労働者保護の見地から強く規制し、法規に反する契約内容を無効にして変更したり、労働基準監督署に監督させたり、更には刑罰を科すこともあります。また、労働審判など労働紛争に特有の紛争解決制度も設けられています。

また、労働法規を守らないような企業では労働者の定着は難しいと思われますが、人手不足の状況においてはなおさらです。このような点からも労働法規は当然守らねばなりません。

労働法規以外の労働関係を規律するもの

① 労働協約 労働組合と企業との間の労働条件等に関する書面による合意です。
② 就業規則 企業が労働者の過半数の代表の意見を聞いて作成し、労働基準監督署に届け出るものです。労働関係を規律する効力が認められるには内容が合理的であり、労働者への周知措置が講じられることが必要です。
③ 労働契約 企業と労働者との間で締結される、労働者は企業の指揮命令に従って働き、企業は労働者に対価として賃金を支払うという内容の契約です。
④ 労使協定 企業と労働者の過半数の代表との間の書面による合意です。労基法の規制を解除する効果はありますが、一部例外を除き、企業と労働者に権利・義務を生じさせるものではありません。

これらが規律する内容が矛盾する場合には、①→②→③の順に効力が優先するのが原則と言えます。

専門知識の必要性

労働法には特有の制度や考え方があり、労働問題に適切に対応するには専門知識が必要です。紛争に直面した場合には是非弁護士等の専門家にご相談下さい。

なお、当事務所のホームページでは、分かりやすさを優先して細かい議論は省略しています。

 

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